TORAST™-H Glass Vial - 特長

低吸着スクリューバイアル / TORAST™-H シリーズ

長期保存にも適した低吸着性能

分析後の試料をバイアルにいれたまま長期保存すると、試料が容器に吸着し、再現性が低いことがあります。
TORAST™-H Glass Vial は分析における低吸着性能を極めた結果、3ヶ月経っても吸着が極めて少なく、保存容器としても優れた性能を有します。

  • 低吸着性能
  •   0 hr 24 hrs 48 hrs 1 Week 1 Month 3 Months
    TORAST™-H Glass Vial 96.0% 95.7% 95.4% 95.6% 93.7% 91.9%
    A 社ガラスバイアル 86.6% 81.4% 79.2% 74.4% 62.4% 45.5%
    B 社ガラスバイアル 38.1% 13.0% 9.6% 5.9% 3.1% 2.2%
    C 社ガラスバイアル 8.5% N.D. N.D. N.D. N.D. N.D.

*PPバイアル(コントロール)0時間の面積値を100%とし、各面積値を比較しました。
3ヶ月後のPPバイアルの回収率は89%となり、TORAST™-H Glass Vialの回収率を下回りました。

TORAST™-H Glass Vial 開発コンセプト

バイアル製造時に用いる生地管(材料)の成分組成は、ガラスの種類により異なりますが、約70~ 75%がSiO₂で、その他は金属(M)の酸化物です。 添加物として含まれる金属酸化物はガラスの融点を下げたり成形性を向上させるなどの役割があり ます。含有する金属成分は成形時の熱により、ガラス表面へと移動する傾向があり、一般的にガラ スバイアルの表面は金属成分が多い環境となります。金属成分は近接するSi-O-Si(シロキサン)結合 を切断し、Si-O-M(金属シラノラート)になります。 Si-O-MはSi-O-H(シラノール)に比べ、容易にイオン化しSi-O-となるため、試料中の塩基性化合物 とのイオン的吸着を引き起こします。

TORAST™-H Glass Vial 開発コンセプト

TORAST™-H Glass Technology

成形後に表面のみ、金属を除く処理は、一定の効果が 見られましたが、ガラスは流体であるため、内部の金 属が徐々に表面に移行し、低吸着性能が低下します。 更に、表面の凹凸により、表面積が大きくなることも 確認しました。
そこでTORAST™-H Glass Vialは、成形時に特殊な処理(TORAST™-H Glass Technology)を行うことで、ガラス中の金属を取り除き、ガラス表面をシリカガラス化しました。これにより、ガラス表面のSi-O-Mが少なくなり、イオン的吸着を抑制しています。TORAST™-H Glass Vialは、上記の技術の他に、「成形温度のコントロールによるガラス表面の凹凸(吸着点の数に関係)の最小化」や「医療グレードの梱包によるガラス表面の有機層形成(疎水吸着に関係)のケア」にも配慮した、高品質な低吸着ガラスバイアルです。

褐色バイアルは透明バイアルに比べ、塩基性化合物の吸着が少ない!?

褐色バイアルは透明バイアルに比べ、塩基性化合物の吸着が少ない!?

褐色バイアルを着色する褐色成分は、ガラス内部の金属の動きを鈍くするため、 成形時に生じるガラス表面への金属の移動を起こりにくくします。 TORAST™-H Glass Vialでは透明・褐色ともにガラス中の金属が取り除かれているため、 一般的な透明・褐色ガラスバイアルを凌駕する低吸着性能を示します。

塩基性化合物、酸性化合物、中性化合物すべてに対して低吸着

  • アミトリプチリン(塩基性化合物)
  • 安息香酸(酸性化合物)
  • ベンジルアルコール(中性化合物)

小容量バイアル

  • 小容量バイアル
  • 小容量バイアル

小容量バイアルは試料に対する容器の接触面積が大きいため、吸着によってロスする割合が大きく なります。小容量タイプのTORAST™-H Glass Vialは、他社の小容量ガラスバイアルと比較し、優れた 吸着抑制効果を示しました。 

最少残存量:20 µL(ニードルストロークを調整してお使いください。)

  • 例:SIL-20 シリーズ , SIL-30 AC :ニードルストローク 37 mm 以下
    SIL-30 ACMP, SIL-40シリーズ, i-シリーズ :ニードルストローク 34 mm 以下

  • 他のガラス製試料びんに比べて底面の位置が高いので、 ニードルストロークを調整してください。ニードルの底 突きによる試料吸引量のばらつきやニードル破損のおそ れがあります。

脚付きインサートでは、 上部と下部で濃度勾配 が起き易く、経時的に 測定すると、右記のよ うな変動を起こすこと があります。

  • 脚付きインサート
  • 脚付きインサート

 

梱包ケースへの工夫

梱包用のケースには医療グレードの梱包資材を採用することで、環境中や梱包由来の有機物の付着、 有機層の形成を軽減します。また、バイアルを逆さにセットすることでコンタミも軽減できる仕様に なっています。さらに、列ごとに段差を付けることで取り出しやすく設計されているほか、バイアル が1 本1 本独立してセットされているため試料調製用バイアルラックとしても使用が可能です。

梱包ケースへの工夫

品質証明書付き

品質証明書付き

品質を保証する証明書が付属しています。塩基性、酸性、中性化合物に対する低吸着性能検査を はじめ、バイアル、セプタム、キャップの形状検査を行っています。バイアル、セプタム、キャップ はLot管理しており、トレーサビリティーが取れます。また、バイアルは、1本1本丁寧に洗浄して おり、バイアル由来の試料汚染対策を施しています。

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