信和化工オリジナル担体 - 特長
信和化工社製パックドカラム
GC 用多孔質シリカ担体 Shinwasorb®
全く新しいガスクロマトグラフィー用多孔質シリカ担体です。白色珪藻土担体に近い外見、物理強度、耐熱性を持っています。珪藻土担体が抱える多くの問題点を解消しています。
Shinwasorb® の特長
1. 化学合成品のためロット間のばらつきがありません
Shinwasorb® は化学合成によって製造された多孔質シリカです。珪藻土担体で問題となる原料による品質のばらつきがありません。
2. 微細孔がほとんど存在せず、成分の吸着が皆無です
Shinwasorb® の表面にはミクロ孔、メソ孔と呼ばれる微細孔はほとんど存在しません。 そのため微細孔に成分が吸着することによるピークのテーリングを生じません。
3. 成分の吸着、分解の原因となる重金属等を含みません
Shinwasorb® は高純度のシリカ原材料を用いて製造しています。重金属等をほとんど含まないため、成分が吸着、分解しません。
4. 物理強度に優れ、微粉の発生がほとんどありません
Shinwasorb® は物理強度に優れ、微粉の発生を心配することなく使用できます。
5. 珪藻土担体と同等以上の比表面積を有します
Shinwasorb® は粒子表面に孔径が揃ったマクロ孔が存在し、珪藻土担体と同等以上の比表面積を有します。 Shinwasorb® に液相をコーティングした充填剤は、均等な表面構造により液相の膜厚が均一化するため、シャープで対称性の良いピークが得られます。
6. 多様な液相をコーティングできます
Shinwasorb® は珪藻土担体と同じく多種、多様の液相をコーティングすることができます。
Shinwasorb® の物性値
Shinwasorb® と白色珪藻土担体の比較
Shinwasorb® | 一般的な白色珪藻土担体 | |
---|---|---|
SiO₂ 純度 (%) | > 99 | およそ 90 |
嵩比重 (g/ml) | 0.46 | 0.25 ~ 0.3 |
比表面積 (m²/g) ※ | 1.8 | 1 ~ 3 |
孔径100nm 以下の細孔容積 (cm³/g) ※ | < 0.02 | およそ 0.03 |
※ 窒素吸着(BET) 法による測定
Shinwasorb® の性質
1. 対称性が良く、高理論段数のピークが得られる
2. コーティングできる液相の最大量が担体重量の約30%(一部の液相を除く)
3. シラン化処理なしで珪藻土以上の不活性さ(シラン化処理を行うことでさらに不活性に)
4. 嵩比重が白色珪藻土の約2 倍(褐色珪藻土とほぼ同じ)
5. 通気度が白色珪藻土のおよそ 2/3
・液相の最大コーティング量が大きいため、白色珪藻土担体、褐色珪藻土担体、両方の代替が可能
・対称性が良く、高理論段数のピークが得られるため、必要な分離度を維持しながら分析時間の短縮も可能
・珪藻土担体よりも粒径を粗くすることでカラム圧を抑えることが可能(ロングカラムに有利)
※Shinwasorb®は、信和化工株式会社の登録商標です。
Shimalite®
Shimalite® は、高純度ケイソウ土を原料に独自の方法で製造した、低沸点試料から高沸点試料まで広範囲の分析に使用できる赤褐色系担体です。 適度な比表面積(6 ~ 8m²/g)をもち、比較的、低い濃度から高い濃度(5 ~ 30%)の液相をコーティングすることができます。
※Shimalite®は、株式会社島津製作所の登録商標です。
Shimalite® W
ケイソウ土系白色担体です。 生化学・薬学関連試料(例えば、ステロイド、アルカロイド、糖、アミノ酸、農薬)の分析に最も適しています。 表面活性が非常に低いため、液相コーティング量をきわめて少なく(たとえば 0.1%程度)した場合でも吸着現象がほとんどありません。高沸点活性物質(生化学等関連物質)の微量・迅速分析に最適です。
Shimalite® W の物理・化学特性
Shimalite® W | Chromosorb® W | |
---|---|---|
Surface Area(m²/g) | 0.7 | 1.0 |
Surface Area(m²/cc) | 0.20 | 0.29 |
Free Fall Density(g/cc) | 0.23 | 0.18 |
Tapped Density(g/cc) | 0.29 | 0.24 |
pH Value | 8.5 | 8.5 |
※Shimalite®は、株式会社島津製作所の登録商標です。
Shimalite® TPA
Shimalite® TPA は含水試料を直接分析できるテレフタル酸担体です。炭 素数 7 以下の水中のアルデヒド、脂肪酸、アルコールなどの分析に最も適しています。また、硫黄化合物(例えば、メルカプタンなど)のような吸着性の大きい物質の微量分析にも使用できます。
※Shimalite®は、株式会社島津製作所の登録商標です。
Shimalite® F
Shimalite® F は PTFE(四フッ化エチレンポリマー)担体です。 現在実用化されている GC 用担体の中ではカーボン担体(Shincarbon-A)と共に最も表面吸着性が低く、水などの吸着しやすい物質の分析に使用されます。
※Shimalite®は、株式会社島津製作所の登録商標です。
Shincarbon-A
Shincarbon-A は合成高分子を焼成し、高度に不活性化した新しいタイプの GC 用高純度カーボン担体です。高い耐熱性や耐水性に富んでおり、従来用いられるケイソウ土担体、テレフタル酸担体、PTFE 担体では対応できなかった低沸点物質から高沸点物質の水溶液、および大気中の微量極性物質の分析にも使用できます。
1. 高度に不活性化されたカーボン担体です。物理的・化学的に非常に安定です。担体自身に試料成分が吸着しないため、アルコールや脂肪酸などの極性化合物に対して吸着はありません。また、加水分解を受けることがありませんので水溶液の分析に適しています。
2. 液相の担持力および分離能はケイソウ土担体に匹敵します。
3. 100%カーボンから成り立っていますので、不活性ガス(キャリアガス)中では高温での使用が可能です。
4. 材質はガラス状カーボンであるため、機械的強度が強く、微粉の発生が少ないので、キャリアガスの通気性がよく、カラム圧は低くなり、分離効率がアップします。
5. ケイソウ土のような天然物ではなく、化学合成品ですからロット間のばらつきがありません。
Shinwa-Ni
1. 粒子表面に金属ニッケル構造の薄層をもった還元用触媒粒子です。
2. 一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO₂)など、水素炎イオン化検出器(FID)に感度をもたない物質を、FID に感度をもつ物質-メタン(CH₄)に変換するための還元剤として有効です。