Shim-pack IC - 特長
島津製作所製HPLCカラム
高分離カラムを用いた陽イオン分析例
Shim-pack IC-C4は、ノンサプレッサイオンクロマトグラフ用に開発された、高性能汎用タイプの陽イオン分析カラムです。ノンサプレッサイオンクロマトグラフでは、分離に使用する移動相組成のアレンジが容易ですので、広範なアプリケーション開発に応用できます。
優れたピーク対称性
“Shim-pack IC-C4”は、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの分析を行うための汎用カラムで、従来製品より2価イオンのピーク対称性を改善しています。微量分析から一般環境水まで幅広い試料の分析にご使用いただけます。
標準試料溶液の分析
充てん剤 | 基材 | ポリメタクリレート |
---|---|---|
イオン交換基 | カルボキシル基 | |
粒子径 | 7μm | |
カラム本体 | 材質 | PEEK (ポリエーテルエーテルケトン)樹脂 |
サイズ | 内径 4.6 mm, 長さ 150 mm |
NaとNH4を高分離
Na イオンのピーク形状改善により、Na イオンとNH4イオンの高分離を実現しました。高濃度Naイオン存在下におけるNH4イオンピークへの影響が少なく、一般的な水道水の濃度レベルであれば標準移動相条件で十分な分離が行えます。また、移動相に 18-クラウン- 6を少量添加することにより、さらに分離を改善することができます。
NaイオンとNH4イオンの分離
カラム | Shim-pack IC-C4, 4.6mm I.D. × 150mmL, 7µm | オーブン | 40℃ |
---|---|---|---|
移動相 | 2.5mmol/L Oxalic Acid Sulfate | 検出 | CDD |
流量 | 1.0mL/min | 注入量 | 50µL |
試薬添加による分離改善
水道水中の塩素酸分析では、検水にエチレンジアミン(EDA)を添加する前処理が行われます。この処理水で陽イオン分析を行った場合、エチレンジアミンの保持が強く分析時間が長くなるため、移動相濃度を高くして溶出を早める分析条件を設定します。
この時、移動相に 18-クラウン- 6 を少量添加することにより、全体の溶出時間を短縮した状態で、溶出の早い Na イオンと NH4イオンの分離を改善することができます。18-クラウン- 6 の添加により、NH4イオンとK イオンの溶出を選択的に遅らせることができます。
陽イオン標準溶液のクロマトグラム
カラム | Shim-pack IC-C4, 4.6mm I.D. × 150mmL, 7µm | オーブン | 45℃ |
---|---|---|---|
移動相 | A) 3.5mmol/L Oxalic Acid B) 1mmol/L 18-crown-6 |
検出 | CDD |
流量 | 1.0mL/min | 注入量 | 50µL |
フレキシブルな移動相選択
ノンサプレッサ方式のイオンクロマトグラフの特徴のひとつに、フレキシブルな移動相選択があります。“Shim-pack IC-C4”では、移動相組成のアレンジによる溶出制御があります。
“Shim-pack IC-C4”では、2種類の移動相を混合して使用することにより、一般的な無機陽イオン以外にも、分離が困難と思われている遷移金属類の分離も可能となります。
混合移動相による多成分同時分析例
カラム | Shim-pack IC-C4, 4.6mm I.D. × 150mmL, 7µm | オーブン | 40℃ |
---|---|---|---|
移動相 | A) 2.5mmol/L Oxalic Acid B) 2.5mmol/L Methanesulfonic Acid A/B=6/4 (v/v) |
検出 | CDD |
流量 | 1.0mL/min | 注入量 | 50µL |
水質分析において陰イオン成分を高分離
水質分析に求められる高分離を実現しつつ、分析時間を短縮
3.5μmの充てん剤粒子径の採用により、水質分析に求められる多成分のイオン種の高分離を実現しました。高い分離性能を維持しながら、水質分析において保持が強い硫酸イオンを約20分で溶出できます。BrとClO3の分離を、IC-SA3より向上させています。
陰イオン12成分の標準試料のクロマトグラム
カラム | Shim-pack IC-SA4, 4.6mm I.D. × 150mmL, 3.5µm | オーブン | 50℃ |
---|---|---|---|
移動相 | A) 1.7mmol/L Sodium Carbonate B) 5.0mmol/L Sodium Hydrogen Carbonate Aqueous Solution |
検出 | CDD |
流量 | 0.8mL/min | 注入量 | 50µL |
水質分析対象成分を高い精度で定量可能
けい酸を多く含む水試料であっても、ふっ化物イオンと確実に分離でき、定量精度を高めます。
酢酸イオンは規制対象成分ではありませんが、水サンプルに含まれていることが多く、フッ化物イオンのピークに影響を及ぼすことがあります。IC-SA4は、ふっ化物イオンと酢酸イオンの確実な分離が可能です。
臭素酸分析システム専用のカラムShim-pack IC-Bromate
Shim-pack IC-Bromateは、ポリビニールアルコールに第4級アンモニウム基を化学結合させた陰イオン交換樹脂が充てんされたカラムです。臭素酸イオン(BrO3)と亜塩素酸イオン(ClO2)の分離選択性が大幅に向上した水質分析専用の高性能を用います。上水処理で使用される水道用薬品(次亜塩素酸ナトリウム)を分析する場合においても、臭素酸イオンと亜塩素酸イオンを短時間で良好に分離することが可能です。
平成16年4月1日施行の新水質基準に係わる検査方法に準拠した臭素酸分析および上水処理で使用される水道用薬品である次亜塩素酸ナトリウム中の臭素酸分析において、臭素酸イオンの近傍に溶出する亜塩素酸イオンと良好に分離することができます。
-
臭素酸 / 亜塩素酸標準品のクロマトグラム
(0.010mg/L, each)分析条件
分離カラム Shim-pack IC-Bromate, 4.0mm I.D. × 150mmL 移動相 A) 1.7mM Sodium Hydrogen Carbonate
B) 1.8mM Sodium Carbonate流量 1.0mL/min オーブン 40℃ -
臭素酸 / 亜塩素酸標準液のクロマトグラム
ポストカラム
〈First Reaction〉流量 0.4mL/min オーブン 40℃ 試薬 1.5M Potassiom Bromide + 1.0M Sulfuric Acid 〈Second Reaction〉流量 0.2mL/min オーブン 40℃ 試薬 1.2mM Sodium Nitrite 注入量 200µL