Shim-pack Arataシリーズ - 特長

島津製作所製HPLCカラム

比類ないピーク形状

塩基性・酸性医薬品混合物の分析(Shim-pack Arata 粒子径2.2 μmと他社カラムとの比較)

塩基性化合物のピーク形状が悪化しやすい希薄有機酸移動相(0.1%ギ酸移動相)条件での分析において、Shim-pack Arata C18は塩基性医薬品5種類および酸性医薬品4種類全ての卓越したピーク形状を実現しました。

分析種

  塩基性医薬品
No. 1 2 3 4
化合物名 Cyproheptadine Hydroxyzine Mequitazine Clemastine
構造式 Cyproheptadine Hydroxyzine Mequitazine Clemastine
  酸性医薬品
No. 5 6 7 8 9
化合物名 Piroxicam Meloxicam Flurbiprofen Diclofenac Mefenamic acid
構造式 Piroxicam Meloxicam Flurbiprofen Diclofenac Mefenamic acid
  • Shim-pack Arata 粒子径2.2 μmと他社カラムとの比較
  • 各医薬品のシンメトリー係数
    分析条件
    LC システム NexeraX2_SPD20A (Semi-micro Cell)
    LC カラム Shim-pack Arata C18 (2.0 × 150 mm, 2.2 μm)
    ハイブリッドC18 (2.1 × 150 mm, 2.5 μm)
    Typical ODS (2.0 × 150 mm, 2.2 μm)
    移動相 0.1%HCOOH in H₂O 移動相B 0.1%HCOOH in CH₃CN
    グラジエント 10%B (0 min.) →70%B (50-60 min.)→10%B (60.01-70 min.)
    流量 0.2 mL/min. 検出 226 nm
    カラム温度 40 ℃ 注入量 1 μL

塩基性化合物のピーク形状が悪化しやすい希薄有機酸移動相(0.1%ギ酸移動相)で、塩基性医薬品4種類、酸性医薬品5種類の混合物について、Shim-pack Arata C18、ハイブリッドC18(塩基性化合物のピーク形状改善タイプ)および一般的なODSを用いて分析を行い、各医薬品のピーク形状(シン メトリー係数)を比較しました。
Shim-pack Arata C18は、塩基性医薬品(1-4)のピーク対称性について最も良好な結果が得られただけでなく、酸性医薬品(5-9)についても、一般的なODSと同等以上のピーク対称性を示しました。一方、0.1%ギ酸移動相条件での塩基性化合物のピーク形状を謳ったハイブリッドC18は一般的なODSに比べて、塩基性医薬品(1- 4)のピーク対称性は向上した反面、酸性医薬品(5-9)のピークはテーリングが見られました。

塩基性・酸性医薬品混合物の分析(Shim-pack Arata 粒子径5 μmと他社カラムとの比較)

Shim-pack Arata C18は粒子径5 μmにおいても、粒子径2.2 μmと同様に、塩基性医薬品と酸性医薬品 共に良好なピーク形状を示しました。

  • 塩基性・酸性医薬品混合物の分析(Shim-pack Arata 粒子径5 μmと他社カラムとの比較)
    1.Cyproheptadine  2.Hydroxyzine  3.Mequitazine  4.Clemastine(塩基性医薬品)
    5.Proxicam  6.Meloxicam  7.Flurbiprofen  8.Diclofenac  9.Mefenamic acid(酸性医薬品)
  • 各医薬品のシンメトリー係数
    分析条件
    LC システム NexeraX2_SPD20A (Semi-micro Cell)
    LC カラム Shim-pack Arata C18 (4.6 × 150 mm, 5 μm)
    Typical ODS (4.6 × 150 mm, 5 μm)
    コアシェルC18 (4.6 × 150 mm, 5 μm)
    移動相 0.1%HCOOH in H₂O 移動相B 0.1%HCOOH in CH₃CN
    グラジエント 10%B (0 min.) →70%B (50-60 min.)→10%B (60.01-70 min.)
    流量 1.0 mL/min. 検出 226 nm
    カラム温度 40 ℃ 注入量 5 μL

迅速な平衡化と安定した保持

塩基性化合物分析に希薄酸移動相(0.1% ギ酸、リン酸など)を用いた場合、ピーク形状に問題が見られるだけでなく、安定したデータを得られるまでに長時間を要するといった問題も生じます。
Shim-pack Arata C18 は、希薄酸移動相条件でも迅速に平衡化し、比類ないピーク形状と安定した保持時間で、確実な定性・定量を実現します。その一例として医薬品(アミトリプチリン)の純度試験への適用を示します。

医薬品の純度試験への適用
 ~0.1%リン酸移動相条件における塩基性医薬品および不純物の保持挙動~

医薬品の品質管理において、原薬および製剤中の不純物管理は厳しく規制されます。原料および各製造過程における不純物管理により最終プロダクトである原薬および製剤の不純物を管理します。
「品質は工程で造り込む」との考え方が基本的に求められるため、特に製薬企業のCMC 部門における不純物管理業務の質的効率化が問われます。中でも、これら不純物管理に適用される試験法の信頼性(堅牢性)の確保は、医薬品の品質管理の質を左右するキーポイントに位置付けられます。
Shim-pack Arata C18 は、0.1%リン酸移動相条件での迅速な平衡化による安定した分離性能を実現し、塩基性医薬品のみならず微量の関連不純物に対しても高い信頼性(堅牢性)を確保した試験法を提供します。

  • 0.1%リン酸移動相条件における塩基性医薬品および不純物の保持挙動
  • 分析条件
    LC システム NexeraX2MP_M30A (STD Cell)
    LC カラム Shim-pack Arata C18 (3.0 × 75 mm, 2.2 μm)
    Typical ODS column (3.0 × 75mm, sub 2 μm)
    移動相 0.1% H₃PO₄ in H₂O / CH₃CN
    = 76 / 24 (Shim-pack Arata C18)
    = 70 / 30 (Typical ODS)
    流量 0.4 mL/min. 検出 210 nm
    カラム温度 40 ℃ 注入量 1 μL
    サンプル Amitriptyline

0.1% リン酸含有移動相をそれぞれのカラムに通液し、5時間後と12時間後における主成分とその不純物の保持挙動について比較しました。
Shim-pack Arata C18 では主成分とその不純物の保持時間に変動は認められませんでした。
一方、一般的なODSでは、通液時間による主成分と多くの関連不純物の保持時間に変動が認められ、保持時間の変動による分離への影響が懸念される結果となりました。
Shim-pack Arata C18 は、0.1%リン酸移動相条件における迅速なカラムの平衡化を達成していることを示唆しています。

異なる粒子径間・カラムサイズでのシームレスな分析法移管性

Shim-pack Arata は、異なる粒子径かつカラムサイズにわたって一貫した結果が得られるシームレスな分析法移管を提供し、HPLC⇔UHPLC 間の容易な相互移管を実現します。

逆相標準物質の分析法移管

  • 逆相標準物質の分析法移管
  • 分析条件
    LC カラム Shim-pack Arata C18
    移動相 H₂O / CH₃CN = 40 / 60
    検出 254 nm カラム温度 40℃
    分析種 1.Uracil, 2. Methyl benzoate, 3. Toluene, 4. Naphthalene
  4.6 × 150mm, 5μm 2.0 × 150mm, 2.2μm 3.0 × 75mm, 2.2μm CV(%)
k(Naphthalene) 3.82 3.81 3.77 0.6
α2,3 1.83 1.82 1.87 1.17
α3,4 1.43 1.43 1.43 0.0

※断面積比で補正した値

塩基性・酸性医薬品混合物の分析法移管

Shim-pack Arata C18 は、0.1% ギ酸移動相におけるイオン性化合物のグラジエント分析においても、シームレスな分析法移管を提供します。

分析条件
カラム ① Shim-pack Arata C18 (4.6 × 150 mm, 5 μm) 移動相 A 0.1% HCOOH in H₂O
② Shim-pack Arata C18 (3.0 × 75 mm, 2.2 μm) 移動相 B 0.1% HCOOH in CH₃CN
検出 226 nm グラジエント ① 10%B (0 min.) → 70%B (50-60 min.) → 10%B (60.01-70 min.)
温度 40℃ ② 10%B (0 min.) → 70%B (12.5-15 min.) → 10%B (15.01 – 17.5 min.)

塩基性・酸性医薬品混合物の分析法移管 

1.Cyproheptadine 2.Hydroxyzine 3.Mequitazine 4.Clemastine(塩基性医薬品)
5.Proxicam 6.Meloxicam 7.Flurbiprofen 8.Diclofenac 9.Mefenamic acid(酸性医薬品)

  α1,2 α2,3 α3,4 α4,5 α5,6 α6,7 α7,8 α8,9
5 μm 1.03 1.08 1.24 1.13 1.54 1.16 1.1 1.14
2.2 μm 1.02 1.06 1.18 1.06 1.41 1.16 1.08 1.13

Shim-pack Arata C18 では、塩基性・酸性医薬品に関わらず、異なる粒子径・カラムサイズ間で分離を維持してシームレスに移管できます。
一例として、粒子径5 μm、4.6×150 mmのカラムから粒子径2.2 μm、3.0 × 75 mm のカラムに移管することで、分析時間を1/4、溶媒消費量を1/5 に削減できます。

優れたロット間再現性

長期間にわたり一貫した分析性能を実現するには、カラムのロット間再現性が重要です。Shim-pack ArataC18 の充塡剤は、塩基性および酸性化合物を用いてロット試験を行っています。
この試験は0.1% ギ酸移動相を用いて実施し、一貫したカラム性能を確実にします。
その例として、異なる3 ロットのシリカゲル基材を用いたShim-pack Arata C18 カラムは優れた再現性を示しています。

  • 優れたロット間再現性
  • 分析条件
    LC カラム Shim-pack Arata C18 (4.6×150mm, 5μm)
    移動相 0.1%HCOOH in H₂O/ CH₃CN= 70 / 30
    流量 1.0mL/min. 検出 254 nm
    カラム温度 40℃ 注入量 5 μL
    ※本カラムの充塡剤ロット試験と同条件で評価

    1. Uracil 2. Amitriptyline 3. Benzoic acid

ペプチドの卓越した分離性能

一般的に正電荷を有するペプチドの逆相分析では、良好なピーク形状を得るために、イオンペア効果の高いTFA 含有移動相が用いられますが、TFA はイオンサプレッションの原因や分析システムに残留するなどの問題があります。
Shim-pack Arata は、LC/MS(/MS) に適したギ酸含有移動相条件でも、ペプチドの良好なピーク形状を実現し、卓越した分離性能を発揮します。

ペプチド分離の確実性の向上

Certificate of Analysis例 (カラムに同梱されています)

ペプチド分離の確実性の向上 ~Shim-pack Arata Peptide C18~

Shim-pack Arata Peptide C18は、ペプチド分析における充填剤ロット間再現性を確保にするため、通常のロット試験に加えて、ペプチド標準品混合物を用いた試験を適用しています。
この品質試験は0.1%ギ酸移動相を用いた厳しい条件で実施し、ペプチド分析に対し一貫した安定なカラム性能を必要とするお客様の要求に応えています。

卓越したピーク形状と迅速なカラム平衡化

一般的なODS でイオンペア効果の低い0.1% ギ酸移動相を用いてペプチドを分析する場合、ピーク形状の問題だけでなく、安定した保持時間および面積値を得られるまでに長時間を要します。
Shim-pack Arata Pepetide C18は、0.1%ギ酸移動相でも迅速な平衡化を達成し、ペプチドの卓越したピーク形状と安定した保持および面積値を同時に達成します。

Shim-pack Arata Peptide C18

化合物名 通液時間(分) 30 60 120 180 240 360 CV
Angiotensin I 保持時間 5.1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.1 0.3
シンメトリー係数 1.26 1.24 1.25 1.25 1.24 1.25 0.4
面積値 2.17 × 10⁵ 2.13 × 10⁵ 2.26 × 10⁵ 2.25 × 10⁵ 2.23 × 10⁵ 2.24 × 10⁵ 1.9

Typical ODS

化合物名 通液時間(分) 30 60 120 180 240 360 CV
Angiotensin I 保持時間 7.78 7.15 6.53 6.20 5.98 5.82 11.0
シンメトリー係数 4.89 4.38 4.85 4.87 4.93 4.92 3.9
面積値 1.65 × 10⁵ 1.58 × 10⁵ 1.76 × 10⁵ 1.78 × 10⁵ 1.83 × 10⁵ 1.84 × 10⁵ 5.3
  • 分析条件
    LC システム NexeraX2 MP_SPD20A (Semi-micro Cell)
    LC カラム Shim-pack Arata Peptide C18 (3.0 × 75 mm, 2.2 μm)
    Typical ODS (3.0 × 75 mm, Sub 2 μm)
    移動相 A 0.1%HCOOH in H₂O
    移動相 B 0.1%HCOOH in CH₃CN
    流量 0.4 mL/min. 検出 214 nm
    カラム温度 40 ℃ 注入量 1 μL
    サンプル Angiotensin I バイアル TORAST™-H Bio Vial
  • AngiotensinⅠ

    ※一般的にペプチドはグラジエント条件で分析されますが、ここでは、カラムによる違いがより分かるようにアイソクラティック条件(保持時間が近くなるようにカラムによりアセトニトリル濃度を調整)で評価しました。

その例として、カラム出荷時の封入溶媒(アセトニトリル100%)から移動相を流し始め、一定時間毎に、AngiotensinⅠの保持時間、シンメトリー係数および面積値の変化を比較しました。
Shim-pack Arata Peptide C18 では、通液30 分後にはすでに保持が安定し、良好なピークが得られました。一方、一般的なODSでは、ピーク対称性が低く、通液360 分後にも保持が安定しませんでした。

Shim-pack Arataのテクノロジーにより実現するペプチドの高い回収率

Shim-pack Arata Peptide C18カラムは、充塡剤へのペプチドの吸着を最小限に抑えられることから、カラムでの高い回収率を確保し、良好なペプチド分析を実現します。

ミオグロビンのトリプシン消化物の分析

ペプチドは充塡剤に非特異的な吸着を示すことが知られています。
Shim-pack Arata Peptide C18カラムは、ペプチド分析において高い回収率を確保できることが示唆されました。

ミオグロビンのトリプシン消化物の分析

分析条件
LCシステム NexeraX2MP_M30A (STD Cell) 流量 0.2 mL/min.
カラム Shim-pack Arata Peptide C18 (2.0 × 150 mm, 2.2 µm) 検出 214 nm
Core Shell C18 ペプチド用 (2.1×150 mm, sub 2 µm) 温度 40℃
Core Shell C8 (2.1 ×150 mm, sub 4 µm) 注入量 5 µL
移動相 A 0.1% HCOOH in H₂O サンプル Myoglobin tryptic digest
移動相 B 0.1% HCOOH in CH₃CN バイアル TORAST™-H Bio Vial
グラジエント 2%B (0-5 min.)→45%B (20 min.)→ 100%B (20.01 ‒ 25 min.) → 2%B (25.01 ‒ 30 min.)

ミオグロビンのトリプシン消化物について、Shim-pack Arata Peptide C18 (2.2 µm)、Core shell C18 (sub 2 µm)、Coreshell C8(sub 4 µm)を用いて分析を行い、結果を比較しました。
比較した2種類のカラムに比べて、Shim-pack Arata Peptide C18カラムでは、面積値が優位に大きく、高い回収率が得られることが示唆されました。

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