生体試料(血漿など)中のリン脂質を除去したいのですが良い前処理方法・ツールはありますか?

リン脂質とタンパク質を同時に除去可能な固相抽出があります。

リン脂質はLC/MS(/MS)分析の際にイオンサプレッションを引き起こし感度低下を招く要因となりますので、生体試料からリン脂質を除去することは重要な前処理となります。 試料を1%ギ酸/MeCNなどで希釈し固相抽出Phreeに通液することでリン脂質の除去かつタンパク質の除去も可能になります。

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1. 有機溶媒の分注
Phree™リン脂質除去プレートのウェルに有機溶媒(血漿サンプル量の3~4倍)を注入します。
※有機溶媒量は最大1.2 mLです。推奨する有機溶媒は下記に掲載しています。
2. 血漿の添加
Phreeリン脂質除去プレートの各ウェル内の有機溶媒に血漿25 µL~400 µLを直接添加します。有機溶媒と血漿の比率は3:1~4:1に維持してください。
3. ボルテックス*
最高速で2分間ボルテックスし、クロスコンタミが起こらないように注意します。サンプルは最大25分間静置できます。
4. ろ過
遠心分離:Phreeリン脂質除去プレートをコレクションプレートの上に設置し、500 × gで5分間、またはろ過液が回収されるまで遠心分離します。
吸引:Phreeリン脂質除去プレートを適切な96ウェル用吸引マニホールドまたは前処理ロボットに設置します。 必ず96ウェル用コレクションプレートをマニホールドの内部またはPhreeリン脂質除去プレートの下に設置してください。2~7 inch Hgで最大5分間、またはろ過液が回収されるまで吸引します。
陽圧:Phreeリン脂質除去プレートをコレクションプレートの上に設置し、陽圧マニホールドを使用して2~5 psiで加圧します

* リキッドハンドラーまたは自動液体処理装置を併用する場合は、吸引/分注サイクルを利用することで、チップ内部(in-tip)での混合と沈殿を促進することが可能です。これにより、完全な沈殿とろ過処理を行うことができます。チップ内部混合を行う場合、ボルテックスミキサーによる撹拌は不要です。

推奨有機溶媒

溶媒 溶媒量 血漿量
1%ギ酸アセトニトリル溶液 300 µL 100 µL
1%ギ酸メタノール溶液 400 µL 100 µL
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