オリゴヌクレオチド分析にはどのような移動相条件、カラムが適しているのでしょうか?
HPLCの場合の移動相はTEAAを添加した水/MeOH or MeCN系、LCMSの場合はTEA(またはDIEA)とHFIPを添加した水/MeOH or MeCN系で検討してください。
カラムは中・高分子分析に適したコアシェルカラムがお薦めです。
オリゴヌクレオチド(siRNA、miRNAなど)が有するリン酸基は極性が高くかつ金属吸着しやすい特性があります。 そのためTEAA、TEA、DIEAなどのイオンペア試薬を添加しないと保持が弱く逆相分析が難しい・金属への吸着をおこしキャリーオーバーしやすいなどの問題が発生します。 ただしLCMS分析の際にはHFIPなどのスカベンジャーとなる酸を添加しないとイオン化効率の低下を招きます。 基本的な移動相例としては以下のようになります。
HPLCの場合 | A液 50 mM TEAA水溶液(pH 7.5) / 5 % Acetonitrile B液 MeOH |
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LCMS(/MS)の場合 | A液 98%水(100mM HFIP/4mM TEA含有)/2 % Methanol B液 MeOH(100mM HFIP/4mM TEA含有)/2%水 |
お薦めのコアシェルカラムとしてはClarity Oligo-XT C18カラムがあります。コアシェルカラムはオリゴヌクレオチドやペプチドのように充填剤内部での動きが遅い(物質移動が遅い)化合物に適しています。コアシェル型かつアルカリ耐性のあるカラムは他には無く非常に有効なツールとなります。 さらに、カラム温度を高めに設定することで物質移動がよりスムーズになりピークも立ち易くなります。
Clarity Oligo-XT C18
充填剤表面にエタン架橋を導入しアルカリ条件下での 崩壊を抑制しやすくしています
移動相 | A. 100mM HFIP/4mM TEA in Water, 2 % Methanol B. 100mM HFIP/4mM TEA in Methanol with 2% Water |
カラム温度 | 60℃ |
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グラジエント条件 | 10 to 20% B over 10 minutes | 検出 | 260 nm |
流量 | 1.5 mL/min | サンプル | 10 µL injection of Poly(dT) 12-24mer |