酢酸などの低分子有機酸の分析を逆相モードで行いたいのですがお薦めのカラムと移動相条件など教えてください。

極性官能基を導入したC18カラムやC18基の導入量を調整したカラムと水系移動相(酸性)の組み合わせで分析が可能です。

低分子有機酸は水溶性が高いために通常の移動相条件(水/MeCNなど)とC18カラムの組合せでは保持する事自体が困難なケースが殆どです。移動相にMeCNなどの有機溶媒が存在するとC18基と殆ど相互作用せずに移動相に留まりそのまま溶出しやすくなります。移動相を水系100%の酸性にすることで低分子有機酸が分子型になりやすく、かつMeCNのような疎水性相互作用を切る溶媒がないのでC18基と相互作用しやすくなります。 しかし、通常のC18カラムは充填剤表面の疎水性が高く水と馴染み難いので安定して使用するには問題があります。 この場合、水とも馴染み易いような表面処理を施したC18カラムの使用が有効な手段となります。 水リッチな移動相条件で安定して使用可能なカラムとしては全多孔性カラムのShim-pack GIST C18-AQShim-pack GIS RP-ShieldSynergi Hydro-RPやコアシェルカラムのKinetex Polar C18などがあります。

Synergi Hydro-RPカラムによる有機酸分析例

a6_1
カラム Synergi Hydro-RP 4 µm, 250 × 4.6 mm
移動相 20mMリン酸カリウム緩衝液 (pH2.9)
流量 0.7mL/min
カラム温度 25 ℃
検出 UV @ 220 nm
サンプル 1. Oxalic acid (シュウ酸)
2. Tartaric acid (酒石酸)
3. Glycolic acid (グリコール酸)
4. Formic acid (ギ酸)
5. Pyruvic acid (ピルビン酸)
6. Malonic acid (マロン酸)
7. Acetic acid (酢酸)
8. Maleic acid (マレイン酸)
9. Citric acid (クエン酸)
Back to Index