島津ジーエルシー

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なぜ、いま、低吸着なのか

高感度検出/高選択性を有するLC/MS(/MS)は、今や不可欠な分離分析手段として、多くの分野で導入されています。
その結果、分析対象試料は低濃度でも検出可能となりますが、一方で器具吸着によるロスが分析結果に影響を及ぼすことが問題となりました。

装置の進歩は大きく、多くの利点をもたらしますが、性能を最大限発揮するには、そこに付随する消耗品の進歩も必要不可欠です。
『だからこそ、いま、変えなければいけない。』
低吸着化はそのひとつの答えなのです。

TORAST-H™シリーズは、時代とともに進み続けます。

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TORAST-H™ Glass Vialの誕生 ― 開発コンセプト ―

バイアル製造時に用いる生地管(材料)の成分組成は、ガラスの種類により異なりますが、約70〜75%がSiO2で、その他は金属(M)の酸化物です。
添加物として含まれる金属酸化物はガラスの融点を下げたり成形性を向上させるなどの役割があります。
含有する金属成分は成形時の熱により、ガラス表面へと移動する傾向があり、一般的にガラスバイアルの表面は金属成分が多い環境となります。
金属成分は近接するSi-O-Si(シロキサン)結合を切断し、Si-O-M(金属シラノラート)になります。Si-O-M はSi-O-H(シラノール)に比べ、容易にイオン化しSi-O- となるため、試料中の塩基性化合物とのイオン的吸着を引き起こします。

TORAST-H Glass Vial開発コンセプト
HPLC 用カラムにおいても・・・
シリカゲルに含まれる金属はシラノールの酸性度を高くし、塩基性化合物の吸着を高めることが知られています。

成形後に表面のみ、金属を除く処理は、一定の効果が見られましたが、ガラスは流体であるため、内部の金属が徐々に表面に移行し、低吸着性能が低下します。
また、表面積の凹凸が大きくなることも確認しました。
そこでTORAST-H™ Glass Vial は、成形時に特殊な処理(TORAST-H™ Glass Technology) を行うことで、ガラス中の金属を取り除き、ガラス表面をシリカガラス化しました。
これにより、ガラス表面のSi-O-M が少なくなり、イオン的吸着を抑制しています。
TORAST-H™ Glass Vial は、下記の技術の他に、「成形温度のコントロールによるガラス表面の凹凸(吸着点の数に関係) の最小化」や「医療グレードの梱包によるガラス表面の有機層形成(疎水吸着に関係) のケア」にも配慮した、世界最高峰の低吸着ガラスバイアルです。

TORAST-H Glass Technology

TORAST-H Glass Vial
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TORAST-H™(PP材質)の誕生 ― 開発コンセプト ―

TORAST-H開発コンセプト
PP材質への吸着メカニズムと吸着抑制方法TORAST-H™シリーズの開発コンセプト

試料調製に用いられるポリ材質(PP:ポリプロピレン/PE:ポリエチレン)の器具は素材に基づく疎水的吸着が問題となります。
疎水的吸着の抑制には、試料への有機溶媒や界面活性剤の添加が効果的です。
しかし、HPLCおよびLC/MSによる高感度定量には、添加物による分離やMS におけるイオン化への影響を考慮する必要があり、試料調製の最適化条件の設定は複雑化します。
そこで、島津ジーエルシーでは吸着を抑制する器具(TORAST-H™シリーズ)の開発に着手しました。

TORAST-H™シリーズは、非イオン性の親水性高分子ポリマーをPP表面に特殊な処理で固定化した低吸着器具です。
非イオン性の親水性ポリマーを使用しているため、疎水的吸着の抑制にはもちろん、イオン的吸着にも気にせず使用できます。
また、特殊な処理でPP表面に固定化しているため、メタノールやアセトニトリルのような有機溶媒でも剥がれ落ちることはありません。

不可欠となる試料調製器具の低吸着化

一般にサンプルの試料調製は、数ステップを必要とします。
それに伴い、試料が接触する表面積は増加し吸着によるロスも増大します。
そのため、試料調製における一連の器具の低吸着化が不可欠となります。ここでは一連の試料調製を想定した容器・器具に対する吸着をインスリンを用いて評価しました。
その結果、低吸着器具・容器のラインナップが揃っているTORAST-H™シリーズは、一部低吸着製品があるA社や非低吸着器具・容器の組み合わせと比べ、顕著な吸着抑制効果を示しました。
HPLC/UVで日常的に測定する濃度領域においても吸着に差が見られました。

TORAST-H比較
TORAST-H比較

TORAST-H™シリーズを組み合わせてご使用していただくことで
回収率の向上が期待できます。

TORAST-H シリーズ
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